LIBRARY 10 — GLOSSARY
鉱物の用語集
記事や図鑑に出てくる言葉を、やさしく。
点線の下線が付いた言葉は、ここで詳しく説明しています。
あ行
A
16語
IMAあいえむえー
国際鉱物学連合に同じ亜金属光沢あきんぞくこうたく
金属光沢と非金属光沢の中間の、少し鈍い金属のような輝き。
金属光沢と非金属光沢の中間の、少し鈍い金属のような輝き。どちらとも言い切りにくいものをまとめた呼び方で、境目があいまいなため、本によっては使わないこともあります。赤鉄鉱・閃ウラン鉱・閃亜鉛鉱(黒っぽいもの)などの説明でよく使われます。
アクチノイドあくちのいど
アクチニウム(Ac)からローレンシウム(Lr)までの15元素。すべて放射性。
原子番号89のアクチニウム(Ac)から103のローレンシウム(Lr)までの15元素。すべて放射性元素で、自然の中で鉱物の成分として見つかるのは、主にトリウム(Th)とウラン(U)です。ウランは閃ウラン鉱などの鉱物にふくまれています。
アクリルベースあくりるべーす
標本をのせて飾るための、透明なアクリルの台。
鉱物の標本をのせて飾るための、透明なアクリル樹脂でできた台。標本を引き立てつつ、台そのものは目立ちにくいのが特長です。ミネラルタックと組み合わせて、標本を好きな角度で固定して飾ることができます。
圧電性あつでんせい
結晶を押したりゆがめたりすると電気が生まれ、逆に電気をかけると伸び縮みする性質。
別の言い方圧電効果・ピエゾ効果
結晶に力を加えて押したりゆがめたりすると、表面にプラスとマイナスの電気が現れ、逆に電気をかけると結晶がわずかに伸び縮みする性質のこと。1880年にフランスのキュリー兄弟(ピエールとジャック)が発見しました。結晶の原子の並び方に、左右や上下の対称性がかたよっている鉱物だけに現れ、石英やトルマリンが代表的です。石英の圧電性は、時計やスマートフォンの水晶振動子に使われています。ガスコンロやライターの着火装置も、圧電性で火花を飛ばすしくみです(こちらは人工のセラミックを使います)。
アデュラレッセンスあでゅられっせんす
シラーに同じアルカリ金属あるかりきんぞく
周期表のいちばん左の列(1族)のうち、水素(H)を除いた6元素。
リチウム(Li)・ナトリウム(Na)・カリウム(K)・ルビジウム(Rb)・セシウム(Cs)・フランシウム(Fr)の、周期表の1族(いちばん左の列)のうち水素(H)を除いた6元素。やわらかく、水と激しく反応する金属です。自然の中では単独では見つからず、岩塩(ナトリウム)やカリ岩塩(カリウム)、リチア輝石(リチウム)のように、ほかの元素と結びついた鉱物として存在します。
アルカリ土類金属あるかりどるいきんぞく
カルシウム(Ca)・バリウム(Ba)など、周期表の2族(左から2列目)の元素。
ベリリウム(Be)・マグネシウム(Mg)・カルシウム(Ca)・ストロンチウム(Sr)・バリウム(Ba)・ラジウム(Ra)の、周期表の2族の6元素(ベリリウムとマグネシウムを除いて呼ぶこともあります)。カルシウムは方解石や石膏、バリウムは重晶石、ストロンチウムは天青石、ベリリウムは緑柱石のように、多くの鉱物の主な成分になっています。
安山岩あんざんがん
灰色の火山岩。日本の火山に最も多い。
流紋岩と玄武岩の中間くらいの成分をもつ、灰色っぽい火山岩。南アメリカのアンデス山脈から名前が付きました。日本の火山の多くはこの岩石でできていて、石垣や石材としても使われてきました。成分は閃緑岩とほぼ同じです。
池袋ショーいけぶくろしょー
毎年12月に東京・池袋で開かれる、日本最大級のミネラルショー。正式名称は「東京ミネラルショー」。
別の言い方東京ミネラルショー
毎年12月に、東京・池袋のサンシャインシティ(文化会館)で開かれる、日本最大級のミネラルショー。正式名称は「東京ミネラルショー」で、愛好家の間では「池袋ショー」と呼ばれています。国内外からたくさんのお店が集まり、鉱物・化石・宝石・隕石などがずらりと並びます。
イミテーションいみてーしょん
本物の宝石に、見た目だけを似せたもの。
別の言い方模造石
本物の宝石に、見た目だけを似せたもの。日本語では模造石といいます。ガラスやプラスチックのほか、別の天然石を使うこともあり、たとえば白いハウ石を青く染めて、ターコイズに見せたものがあります。合成石とちがい、成分や結晶構造は本物とは別物です。
色中心いろちゅうしん
結晶の中の小さな欠陥が光を吸収して、色に見えるもの。
結晶の中で原子が抜けていたり、電子がずれた位置にいたりする小さな欠陥が、特定の色の光を吸収して、色がついて見えるもの。地中で天然の放射線を浴びてできることが多く、蛍石の紫色や、煙水晶(スモーキークォーツ)の茶色などの原因になります。
インクルージョンいんくるーじょん
鉱物や宝石の中に閉じこめられた、ほかの鉱物・液体・気体など。
別の言い方内包物
結晶が育つときに、中に閉じこめられたほかの鉱物の結晶や、液体・気体の泡などのこと。宝石の世界では傷のように扱われることもありますが、ルチルの針が入った水晶のように、インクルージョンそのものが美しさや個性になることもあります。産地や、天然か人工かを見分ける手がかりにもなります。
英名えいめい
英語での名前のこと。鉱物では、世界共通の正式な名前として使われる。
英語での名前のこと。鉱物では、国際鉱物学連合(IMA)が認めた英名が、世界共通の正式な名前として使われます。発見した人や研究者の名前、見つかった産地、成分や性質などにちなんで付けられ、多くは語尾が「-ite(〜アイト、〜イト)」になっています。たとえば石英は quartz(クォーツ)、蛍石は fluorite(フローライト)、黄鉄鉱は pyrite(パイライト)です。この図鑑では、英名をもとにしたカタカナの名前を、和名と並べて載せています。
延性えんせい
引っぱると、切れずに細くのびる性質。
引っぱると、切れずに細く長くのびる性質。展性とならぶ金属の特徴で、銅(Cu)は延性が大きいので電線に使われます。金(Au)は延性も非常に大きく、1グラムで数キロメートルもの細い線にのばせるといわれます。
エンハンスメントえんはんすめんと
宝石の美しさを引き出す処理のうち、昔から広く行われ、一般に受け入れられているもの。
別の言い方加熱処理
宝石の美しさを引き出すために行われる処理のうち、昔から広く行われていて、市場で一般に受け入れられているもの。ルビーやサファイアの加熱、エメラルドへの無色のオイルの含浸などがこれにあたります。日本の宝石業界では、トリートメントとは分けて扱われ、ふつうは処理していることを特に表示せずに売られます。
か行
KA
52語
貝殻状断口かいがらじょうだんこう
劈開のない鉱物が割れたときにできる、貝殻の内側のような丸い割れ口。
別の言い方断口
劈開をもたない(またははっきりしない)鉱物が割れたときにできる、不規則な割れ口を「断口」といいます。そのうち、貝殻の内側のように丸くえぐれた形のものが貝殻状断口で、石英や黒曜石、ガラスによく見られます。
塊状かいじょう
はっきりした結晶の形が見えない、かたまり。
一つ一つの結晶の形がはっきり見えない、かたまりの状態。細かな結晶がぎっしり集まっていて、見た目には一つのかたまりに見えます。黄銅鉱などの鉱石は、塊状で見つかることが多いです。
花崗岩かこうがん
白っぽい深成岩。石英・長石・黒雲母などが集まった、ごま塩のような模様。
別の言い方御影石
二酸化ケイ素(SiO₂)を多くふくむ、白っぽい深成岩。白や桃色の長石、透明な石英、黒い黒雲母などの粒が集まった、ごま塩のような見た目をしています。石材としては「御影石」とも呼ばれ、兵庫県の御影がその名の由来です。風化すると、粒がばらばらになった「まさ土」になります。成分は流紋岩とほぼ同じです。
火山岩かざんがん
マグマが地表や地表近くで、急に冷え固まってできた岩石。
マグマが地表や地表近くで、急に冷え固まってできた火成岩。大きな結晶(斑晶)が、細かい粒やガラスの部分(石基)の中に散らばった「斑状組織」をしています。白っぽいものから順に、流紋岩・安山岩・玄武岩などがあります。
仮晶かしょう
鉱物が、元の別の鉱物の形のまま、中身だけ入れかわったもの。
ある鉱物の結晶が、形はそのままで、中身だけが別の鉱物に入れかわったもの。外から見ると元の鉱物の形をしているのに、成分は別の鉱物になっています。黄鉄鉱が形を保ったまま褐鉄鉱に変わったものや、藍銅鉱が孔雀石に変わったものがよく知られています。
火成岩かせいがん
マグマが冷え固まってできた岩石。
マグマが冷え固まってできた岩石のこと。地表や地表近くで急に冷えた「火山岩」と、地下深くでゆっくり冷えた「深成岩」に分けられます。さらに、ふくまれる二酸化ケイ素(SiO₂)の量によって、白っぽいもの(多い)から黒っぽいもの(少ない)まで、種類が分かれます。
カラーゾーニングからーぞーにんぐ
色帯に同じカラーチェンジからーちぇんじ
変色効果に同じ還元かんげん
物質から酸素(O)がうばわれること(広くは、電子を受け取ること)。酸化の反対。
物質から酸素(O)がうばわれること。より広くは、原子が電子を受け取る変化で、酸化の反対の変化です。酸化と還元は、いつも同時に起こります。鉄鉱石(赤鉄鉱や磁鉄鉱)を溶鉱炉で炭素(C)と反応させ、酸素を取りのぞいて鉄(Fe)を取り出すのは、還元の代表例です。
鑑別かんべつ
宝石が何という石か、天然か合成か、処理されているかを、専門の機関が調べること。結果をまとめたものが鑑別書。
別の言い方鑑別書・鑑別機関
宝石や鉱物が何という石なのか、天然のものか合成されたものか、色を良くするための処理がされているかを、専門の鑑別機関が機械や顕微鏡を使って調べることです。結果をまとめた書類を「鑑別書」といいます。似た言葉の「鑑定書」は、ダイヤモンドの品質(色・透明度・カット・重さ)を評価した書類で、鑑別書とは役割が違います。見た目だけでは区別できない合成石や処理石もあるため、高価な宝石を買うときは、鑑別書の付いたものを選ぶと安心です。
かんらん岩かんらんがん
かんらん石を主とする、緑がかった岩石。地球のマントルをつくる。
かんらん石を主な成分とし、輝石などをふくむ、緑がかった黒っぽい岩石。地球の地殻の下にあるマントルは、主にこの岩石でできています。地表に出てきたかんらん岩が水と反応すると、蛇紋岩に変わります。
骸晶がいしょう
結晶のふちだけが育ち、面の中央がくぼんで階段状になった結晶。
結晶が急に育つとき、角やふちの部分だけが先に育って、面の中央がへこみ、階段のようなくぼみができた結晶。骨組み(骸)だけが残ったように見えることから、この名前が付きました。岩塩の骸晶がよく知られています。
ガラス光沢がらすこうたく
ガラスのような輝き。非金属光沢の中で、いちばん多い。
ガラスのような、つやのある輝き。非金属光沢の一種で、鉱物の中でいちばん多く見られる光沢です。石英・蛍石・方解石・ベリルなど、透明〜半透明の鉱物の多くがこの光沢をもちます。
含浸がんしん
石のすき間や割れ目に、オイルや樹脂などをしみこませる処理。
石のすき間や割れ目に、オイルや樹脂などをしみこませる処理。割れ目を目立たなくしたり、もろい石を丈夫にしたりします。エメラルドに無色のオイルをしみこませるのは昔から行われていてエンハンスメントとされますが、樹脂や色の付いたオイルを使うものはトリートメントとされます。
岩石がんせき
1種類または何種類もの鉱物などが集まってできた、天然のかたまり。
1種類、または何種類もの鉱物(ときには天然ガラスや生物の殻なども)が集まってできた、天然のかたまり。たとえば花崗岩は、石英・長石・雲母などの鉱物が集まった岩石です。鉱物が「材料」、岩石は「材料でできたもの」と考えると分かりやすいでしょう。宝石のラピスラズリやヒスイも、厳密には鉱物ではなく岩石です。
貴ガスきがす
ヘリウム(He)・ネオン(Ne)・アルゴン(Ar)など、周期表の18族の元素。ほとんど反応しない。
別の言い方希ガス
ヘリウム(He)・ネオン(Ne)・アルゴン(Ar)・クリプトン(Kr)・キセノン(Xe)・ラドン(Rn)など、周期表のいちばん右の列(18族)の元素。ほかの元素とほとんど結びつかないため、鉱物の主な成分にはなりません。以前は「希ガス」と書かれていましたが、英語の noble gas に合わせて「貴ガス」と書くようになりました。
希ガスきがす
貴ガスに同じ貴金属ききんぞく
金(Au)・銀(Ag)と、白金(プラチナ Pt)などの白金族元素を合わせた8元素。さびにくく、美しい光沢を保つ希少な金属。
金(Au)・銀(Ag)と、白金(プラチナ Pt)・パラジウム(Pd)・ロジウム(Rh)・イリジウム(Ir)・ルテニウム(Ru)・オスミウム(Os)の「白金族元素」を合わせた8元素のこと。空気や水にふれてもさびにくく、美しい光沢を長く保つうえ、産出量が少ないため、昔から装飾品や貨幣に使われてきました。白金とパラジウムは、日本のレアメタルにも含まれています。ほかの元素と結びつきにくいため、自然の中でも金・銀・白金そのものの姿(元素鉱物)で見つかることがあります。
希少金属きしょうきんぞく
レアメタルに同じ希土類元素きどるいげんそ
スカンジウム(Sc)・イットリウム(Y)とランタノイドを合わせた17元素。
別の言い方レアアース
スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)を合わせた17元素のこと。レアアースとも呼ばれ、レアメタルの一部です。強力な磁石や発光材料などに欠かせません。鉱物では、バストネス石やモナズ石が主な原料です。ごく微量でも、鉱物の色や蛍光の原因になることがあります。
キャッツアイ効果きゃっつあいこうか
丸く磨いた宝石の表面に、猫の目のような光の筋が1本浮かぶ現象。
別の言い方シャトヤンシー
石の中に、細い針状や管状のインクルージョンが同じ向きにたくさん並んでいると、丸く磨いたとき、表面に猫の目のような光の筋が1本現れます。この現象をキャッツアイ効果といいます。クリソベリルで特に美しく、宝石の世界で単に「キャッツアイ」というと、クリソベリルのキャッツアイを指すのがふつうです。
金属光沢きんぞくこうたく
金属のような、ぎらっとした強い輝き。光を通さない鉱物に見られる。
磨いた金属のような、ぎらっとした強い輝き。光をまったく通さない(不透明な)鉱物に見られ、元素鉱物の金属や、多くの硫化鉱物がこの光沢をもちます。黄鉄鉱・方鉛鉱・自然金などが代表です。金属光沢の鉱物は、条痕色が黒っぽくなることが多いのも特徴です。
凝灰岩ぎょうかいがん
火山灰などが積もって固まった岩石。
火山の噴火で出た火山灰や軽石などが積もって、固まってできた堆積岩。やわらかく加工しやすいため、栃木県の大谷石のように、石材として使われてきました。
草入り水晶くさいりすいしょう
中に、ほかの鉱物の細かい結晶が入っていて、草が生えているように見える水晶。
水晶の中に、緑泥石や角閃石など、ほかの鉱物の細い結晶や細かい粒がとじこめられ、草や苔が入っているように見えるもの。鉱物の名前ではなく、見た目による呼び名です。金色の針のようなルチルが入ったものは、とくに「針入り水晶」と呼ばれます。
クラスターくらすたー
群晶に同じ群晶ぐんしょう
たくさんの結晶が、土台からびっしり生えるように集まったもの。
珪岩けいがん
ほとんど石英だけでできた、とても硬い岩石。
別の言い方クォーツァイト
ほとんど石英の粒だけでできた、緻密でとても硬い岩石です。石英の多い砂岩が、地下の熱や圧力で変成し、粒どうしががっちりと結びついたものが代表的です(変成岩)。割ると、粒の境目ではなく粒そのものを横切って割れるのが、砂岩との違いです。ガラスや金属ケイ素の原料(珪石)として使われます。
蛍光けいこう
紫外線などを当てたとき、その光を吸収して別の色の光を出す現象。
紫外線などの光を当てたとき、そのエネルギーを吸収して、別の色の光を出す現象。光を当てるのをやめると、光もすぐに消えます。鉱物では、結晶に含まれる微量の元素などが原因になることが多く、同じ鉱物でも光るものと光らないものがあります。「蛍光(fluorescence)」という言葉は、蛍石(fluorite)に由来します。
ケイ酸塩鉱物けいさんえんこうぶつ
ケイ素(Si)と酸素(O)のまとまりを骨組みにもつ鉱物。地殻をつくる鉱物の大部分。
ケイ素(Si)1つと酸素(O)4つが結びついた小さなピラミッド形のまとまり(SiO₄四面体)を骨組みにもつ鉱物。地殻をつくる鉱物の大部分がこのグループです。石英・長石・雲母・輝石・かんらん石・ざくろ石などがあり、四面体のつながり方によって、さらに細かく分けられます。
珪砂けいしゃ
石英の粒を主とする砂。ガラスや鋳物の型の原料になる。
別の言い方ケイ砂
石英の粒を主な成分とする砂のこと。花崗岩などが風化して残った石英の粒が、川や海で運ばれて集まったものです。窓や瓶などのガラスの主な原料になるほか、金属を流し込む鋳物の型、水をろ過する材料などに使われます。
珪石けいせき
石英を主成分とする岩石や鉱石を、資源として呼ぶときの名前。
別の言い方ケイ石
石英(二酸化ケイ素)を主な成分とする岩石や鉱石を、工業の原料として扱うときの呼び名です。鉱物の名前ではなく、石英の脈、珪岩、チャートなどが含まれます。ガラス・セメント・耐火物(高温に耐えるレンガなど)・金属ケイ素(シリコン)の原料に使われます。
結晶けっしょう
原子が、決まったパターンで規則正しくくり返し並んでいる固体。
原子が、決まったパターンで、立体的に規則正しくくり返し並んでいる固体のこと。この規則正しさのため、条件がよいと平らな面に囲まれた美しい形に育ちます。ほとんどの鉱物は結晶です。原子の並び方に規則性がないものは「非晶質」と呼びます。
結晶系けっしょうけい
結晶を、原子の並び方の規則性(対称性)で7つに分けたもの。
結晶を、原子の並び方の規則性(対称性)によって分類したもの。立方晶系・正方晶系・六方晶系・三方晶系・直方晶系・単斜晶系・三斜晶系の7つに分けるのが一般的です(三方晶系を六方晶系に含めて6つとする分け方もあります)。同じ結晶系の鉱物は、似た形の結晶をつくりやすくなります。
結晶構造けっしょうこうぞう
結晶の中で、原子がどのような並び方(パターン)で規則正しく並んでいるか。
結晶の中で、原子がどのような並び方(パターン)で、規則正しくくり返し並んでいるかのこと。鉱物は、成分(化学組成)と結晶構造の組み合わせで種類が決まります。成分が同じでも結晶構造がちがえば別の鉱物になり(同質異像)、たとえばダイヤモンドと石墨は、どちらも炭素(C)だけでできていますが、結晶構造がちがいます。
結晶質石灰岩けっしょうしつせっかいがん
大理石に同じ結晶軸けっしょうじく
単位格子の形を表すための、3本の軸(a・b・c)。
結晶の単位格子(原子の並びのくり返しの単位)の形を表すために使う、3本の軸のこと。ふつう a・b・c と呼び、軸の「長さ」と、軸どうしが交わる「角度」(α・β・γ)の組み合わせで、7つの結晶系に分けます。たとえば立方晶系は3本とも同じ長さで直角に交わり、三斜晶系は長さも角度もすべてバラバラです。
結晶片岩けっしょうへんがん
圧力を受けて、薄くはがれやすい層状になった変成岩。
地下で強い圧力を受けて、鉱物が一方向に並び、薄くはがれやすくなった変成岩(広域変成岩)。ふくまれる鉱物によって、緑色片岩・黒色片岩などと呼ばれます。関東から九州にのびる三波川変成帯に多く見られます。
絹糸光沢けんしこうたく
絹糸のような、すじ状の柔らかな輝き。繊維状の鉱物に見られる。
絹糸をたばねたような、すじ状の柔らかな輝き。非金属光沢の一種で、細い繊維が平行に集まった鉱物に見られます。繊維状の石膏(サテンスパー)やクリソタイル(温石綿)などが代表です。
原子げんし
すべての物質をつくっている、とても小さな粒。種類ごとに元素の名前がある。
すべての物質は、原子というとても小さな粒が集まってできています。原子の種類を「元素」といい、酸素(O)・ケイ素(Si)・鉄(Fe)など、自然界にある元素は約90種類です。鉱物は、決まった種類の原子が、決まった割合で、規則正しく並んでできています。
原石げんせき
掘り出したままの、カットや研磨をしていない石。
掘り出したままの、カットや研磨をしていない石のこと。宝石では、カットする前の石を指し、英語で「ラフ(rough)」ともいいます。結晶の形がそのまま残っているものもあれば、川に流されて丸くなったものもあります。鉱物標本では、結晶の形を楽しむために、原石のまま飾ることがほとんどです。
元素げんそ
物質をつくっている、いちばん基本的な成分の種類。酸素(O)・ケイ素(Si)・鉄(Fe)など。
すべての物質をつくっている、いちばん基本的な成分の種類のこと。同じ種類の原子をまとめて「元素」と呼びます。酸素(O)・ケイ素(Si)・鉄(Fe)・銅(Cu)・金(Au)など、これまでに118種類が知られていて、そのうち自然の中にあるものは約90種類です。鉱物は、決まった元素が、決まった割合で結びついてできています。元素の一覧は、資料室の「元素の周期表」で見られます。
元素鉱物げんそこうぶつ
金(Au)・銅(Cu)・硫黄(S)・ダイヤモンドのように、ほぼ1種類の元素だけでできている鉱物。
ほかの元素と結びつかず、ほぼ1種類の元素だけでできている鉱物。金(Au)・銀(Ag)・銅(Cu)・白金(Pt)などの金属、硫黄(S)、炭素(ダイヤモンド・石墨)などがあります。鉱物の分類でも、最初のグループになっています。
玄武岩げんぶがん
黒っぽい火山岩。海の底の大地をつくる。
二酸化ケイ素(SiO₂)が少なく、鉄(Fe)やマグネシウム(Mg)を多くふくむ、黒っぽい火山岩。ねばりけの弱いマグマからでき、ハワイの火山や、海の底の大地(海洋地殻)はおもにこの岩石です。冷えるときに六角形の柱のように割れる「柱状節理」がよく見られ、名前は、兵庫県の玄武洞から付きました。成分は斑れい岩とほぼ同じです。
高温型石英こうおんがたせきえい
573℃より高い温度で安定な石英の姿。冷えると、ふつうの石英(低温型)に変わる。
別の言い方高温石英・β石英
石英は、573℃を境に原子の並び方が少し変わります。それより高い温度で安定な姿を高温型石英(β石英)、ふだん私たちが見る石英を低温型石英(α石英)と呼びます。高温型は六方晶系、低温型は三方晶系で、結晶系も変わります。高温型は六角形のそろばん玉のような形(六方両錐)の結晶をつくり、冷えると中身は低温型に変わりますが、外形はそのまま残ります。そのため、流紋岩などの火山岩の中には、高温型の形をした石英の粒が見つかることがあります。同じ成分で原子の並び方が違う関係を、同質異像(多形)といいます。
鉱床こうしょう
役に立つ鉱物や元素が、掘り出す価値があるほど集まっている場所。
金属などの役に立つ鉱物や元素が、自然のはたらきによって、採掘する価値があるほど濃く集まっている場所。マグマや熱水のはたらきでできたもの、地層の中にたまってできたものなど、でき方によってさまざまな種類があります。
鉱石こうせき
金属などの役に立つ成分を、採算がとれるほど取り出せる鉱物や岩石。
金属などの役に立つ成分を多くふくみ、資源として掘り出される鉱物や岩石のこと。たとえば黄銅鉱は銅(Cu)の、方鉛鉱は鉛(Pb)の、赤鉄鉱は鉄(Fe)の鉱石です。同じ鉱物でも、量が少なかったり取り出しにくかったりすると、鉱石とは呼ばれません。
光沢こうたく
鉱物の表面が光を反射したときの輝き方。金属光沢・亜金属光沢・非金属光沢に大きく分ける。
鉱物の表面が光を反射したときの輝き方の特徴で、硬度や条痕色とならぶ、見分けの大切な手がかりです。まず、金属のような「金属光沢」と、そうではない「非金属光沢」、その中間の「亜金属光沢」に大きく分け、非金属光沢はさらに、ガラス光沢・ダイヤモンド光沢・樹脂光沢・脂肪光沢・真珠光沢・絹糸光沢・土状光沢などに分けます。同じ鉱物でも、結晶の面と割れ口とで光沢がちがうことがあります。
鉱物こうぶつ
自然にできた、決まった化学組成と結晶構造をもつ固体。
自然の中でできた、決まった化学組成(成分)と、原子が規則正しく並んだ結晶構造をもつ固体のこと。国際鉱物学連合(IMA)が認めた鉱物種は6,000種以上あります。人工的に作られたものや、結晶構造をもたないものは、原則として鉱物には含みません。
鉱脈こうみゃく
岩石の割れ目を、あとから鉱物が満たしてできた、板のような形の鉱物の集まり。
岩石の割れ目に熱水などがしみこみ、その中にとけていた成分が鉱物となって割れ目を満たしたもの。断面では、岩石の中を走る筋(脈)のように見えます。石英や方解石が主になることが多く、金(Au)・銀(Ag)・銅(Cu)・鉛(Pb)・亜鉛(Zn)などの鉱石をふくむものは、昔から重要な採掘の対象でした。日本の金山・銀山の多くは、この鉱脈を掘ったものです。
国際鉱物学連合こくさいこうぶつがくれんごう
鉱物の新しい種類や名前を認める、世界の鉱物学者の団体。略称はIMA。
別の言い方IMA
世界各国の鉱物学の学会が集まってつくる国際的な団体で、1958年に設立されました。英語の International Mineralogical Association の頭文字から「IMA」と呼ばれます。新しく見つかった鉱物を独立した種類として認めるかどうかや、鉱物の名前を決めるのも、IMAの委員会の仕事です。IMAが認めた鉱物の種類は、6,000種をこえています。
金剛光沢こんごうこうたく
ダイヤモンド光沢に同じ合成石ごうせいせき
天然の宝石と同じ成分・結晶構造の石を、人がつくったもの。
別の言い方シンセティック・ラボグロウン
天然の宝石と同じ成分・結晶構造・性質をもつ石を、人がつくったもの。合成ルビーは1900年代のはじめに、炎の中で原料を溶かして固める方法で大量につくられるようになりました。合成エメラルドや合成ダイヤモンドなどもあります。英語ではシンセティック(synthetic)といい、ダイヤモンドでは「ラボグロウン(研究室で育てた)」という呼び方もよく使われます。見た目も性質も天然とほぼ同じなので、見分けるには専門の検査が必要で、宝石として売るときは「合成」と表示します。ガラスなどで見た目だけを似せた「模造石(イミテーション)」や、キュービックジルコニアのように天然にはほとんどない「人造石」とは区別されます。
さ行
SA
48語
再結晶さいけっしょう
結晶が、いったんくずれたり溶けたりして、あらためて結晶になること。
結晶が、あらためて結晶になること。地質では、岩石が熱や圧力を受けて、溶けないまま中の結晶がつくり変わることをいい、たとえば石灰岩が再結晶すると、方解石の結晶が大きく育った大理石になります。化学では、物質をいったん溶かしてから、もう一度結晶として取り出すことをいいます。ミネラルショーなどで見かける、虹色の階段のようなビスマス(Bi)の結晶は、金属ビスマスを溶かして冷やし、人工的に育てたものです。
砂岩さがん
砂(直径1/16〜2mm)が固まってできた岩石。
直径1/16mm〜2mmくらいの砂の粒が、固まってできた堆積岩。主に石英や長石の粒でできていて、ざらざらした手ざわりです。
酸化さんか
物質が酸素(O)と結びつくこと(広くは、電子を失うこと)。還元の反対。
物質が酸素(O)と結びつくこと。より広くは、原子が電子を失う変化をいいます。鉄(Fe)がさびて赤茶色になるのは酸化の代表例です。鉱物の世界では、地表近くで鉱石が雨水や空気にふれて酸化し、黄銅鉱などから孔雀石や藍銅鉱のような色あざやかな鉱物ができることがあります。
酸化鉱物さんかこうぶつ
金属が酸素(O)と結びついた鉱物。コランダム・赤鉄鉱・スピネルなど。
金属が酸素(O)と結びついた鉱物(水酸化物もこのグループにふくめることが多い)。コランダム(ルビー・サファイア)・赤鉄鉱・磁鉄鉱・スピネル・ルチルなどがあります。硬いものが多く、宝石になるものや、鉄(Fe)などを取り出す鉱石になるものがあります。
三斜晶系さんしゃしょうけい
結晶系のひとつ。軸の長さも交わる角度も、すべてバラバラ。いちばん対称性が低い。
7つの結晶系のひとつ。3本の軸の長さも、軸どうしが交わる角度も、すべてちがうグループ(a ≠ b ≠ c、α ≠ β ≠ γ ≠ 90°)。いちばん対称性が低く、どこにも直角のない、ゆがんだ板や柱の結晶になります。藍晶石・微斜長石・曹長石・ばら輝石・トルコ石などがこの仲間です。
三方晶系さんぽうしょうけい
結晶系のひとつ。六方晶系に似るが対称性が少し低く、菱面体の形が基本。
7つの結晶系のひとつ。六方晶系とよく似た六角形の雰囲気をもちながら、対称性が少し低い(120°回すと重なる)グループです。ひし形の面6枚でできた「菱面体」が基本の形で、方解石が割れてできる形がその代表です。水晶の六角柱やトルマリンの三角形の断面の柱も、この仲間です。六方晶系にふくめて、結晶系を6つとする分け方もあり、その分け方の本では水晶は「六方晶系」と書かれています。なお、ふだん目にする石英(低温型)は三方晶系ですが、573℃より高い温度で安定な高温型石英は六方晶系です。
色帯しきたい
結晶が育つあいだに、色の違う層が重なってできる縞模様。
別の言い方カラーゾーニング
結晶が育つあいだに、まわりの環境(取り込まれる不純物や温度など)が変わることで、色の違う層が重なってできる縞模様。断面や、光に透かしたときに年輪のように見えます。蛍石や水晶などでよく見られます。
脂肪光沢しぼうこうたく
油をぬったような、ぬめっとした輝き。
別の言い方油脂光沢
表面に油をぬったような、ぬめっとした輝き。非金属光沢の一種で、霞石や、ネフライト(軟玉)、割れ口の石英などに見られます。「油脂光沢」ともいいます。
シャトヤンシーしゃとやんしー
キャッツアイ効果に同じ斜方晶系しゃほうしょうけい
直方晶系に同じ晶簇しょうぞく
群晶に同じ晶洞しょうどう
岩石の中の空洞の内側に、結晶がびっしり育ったもの。
別の言い方ジオード
岩石の中にできた空洞の内側に、外に向かって結晶が育ったもの。アメシストや水晶の晶洞が有名で、割ると中に結晶がびっしり並んでいます。丸い形の石の中が空洞になっているものは、特に「ジオード」と呼ばれます。
鍾乳状しょうにゅうじょう
鍾乳洞のつららのように、垂れ下がって育った形。
鍾乳洞のつらら(鍾乳石)のように、上から垂れ下がって育った形。しみ出した水から少しずつ鉱物ができて伸びていきます。菱マンガン鉱の鍾乳状のものは、輪切りにするとピンクの同心円の模様が見えて美しいことで知られています。褐鉄鉱などにも見られます。
晶癖しょうへき
同じ鉱物の結晶が、育つ環境によってとる「なりやすい形」のくせ。
同じ鉱物で、結晶系も同じなのに、育つときの温度やまわりの成分、育つ速さなどによって、どの面が大きく育つかが変わり、ちがう形の結晶になることがあります。この「なりやすい形のくせ」のことを晶癖といいます。たとえば蛍石は立方体にも八面体にもなり、黄鉄鉱は立方体にも五角十二面体にもなります。方解石は特に形のバリエーションが多い鉱物として知られています。
シラーしらー
石の内側から、光がふわりと浮かぶように見える現象。
別の言い方アデュラレッセンス
石の内側から、光がふわりと浮かんで動くように見える現象。ムーンストーンでは、性質のちがう長石がとても薄い層になって重なっていて、その層で光が散らされることで青白い光が生まれます。ムーンストーンのこの光は、特に「アデュラレッセンス」と呼ばれます。ラブラドライトの虹色のきらめきも、同じ仲間の現象です。
真珠光沢しんじゅこうたく
真珠のような、やわらかく虹色がかった輝き。
真珠のような、やわらかく、ほんのり虹色がかった輝き。非金属光沢の一種で、薄くはがれる劈開をもつ鉱物の、劈開面によく見られます。白雲母・滑石・石膏の劈開面などが代表です。
針状しんじょう
針のように細く、とがった形の結晶。
柱状の結晶がさらに細くなり、針のように見えるもの。輝安鉱の長い針状の結晶や、水晶の中に入ったルチルの細い針がよく知られています。もっと細く、毛のように見えるものは「毛状」と呼ぶこともあります。
深成岩しんせいがん
マグマが地下深くで、ゆっくり冷え固まってできた岩石。
マグマが地下深くで、ゆっくり冷え固まってできた火成岩。どの鉱物も大きく育つので、同じくらいの大きさの結晶がぎっしり集まった「等粒状組織」をしています。白っぽいものから順に、花崗岩・閃緑岩・斑れい岩などがあります。
シンセティックしんせてぃっく
合成石に同じジオードじおーど
晶洞に同じ自色じしょく
鉱物の成分そのものに色のもとがあり、いつも決まった色になること。
鉱物の主な成分に、色のもとになる元素(銅 Cu・マンガン Mn・鉄 Fe など)がふくまれていて、その鉱物ならではの決まった色になること。孔雀石の緑や藍銅鉱の青は、成分の銅による自色です。自色の鉱物は、粉にしたときの色(条痕色)にも色がつくことが多く、見分けの手がかりになります。
磁性じせい
磁石に引きつけられるなど、磁石にかかわる性質。
磁石に引きつけられたり、それ自体が磁石になったりする性質。鉱物では磁鉄鉱が強い磁性をもち、ふつうの磁石にもくっつくので、見分けの手がかりになります。磁硫鉄鉱も磁石に引きつけられます。ネオジム磁石のような強い磁石を使うと、鉄(Fe)やマンガン(Mn)を多くふくむ鉱物(チタン鉄鉱や、ざくろ石の一部など)もわずかに反応し、宝石の見分けに使われることもあります。
蛇紋岩じゃもんがん
かんらん岩が水と反応してできた、緑〜黒の岩石。ヘビの皮のような模様。
かんらん岩が水と反応し、蛇紋石という鉱物に変わってできた岩石。緑から黒っぽい色で、ヘビの皮のような模様があることから名前が付きました。すべりやすく割れやすい性質があります。新潟県糸魚川のヒスイは、蛇紋岩といっしょに見つかります。
樹脂光沢じゅしこうたく
松やにやプラスチックのような輝き。
松やにやプラスチックのような、やわらかい輝き。非金属光沢の一種で、琥珀・硫黄、黄色〜茶色の閃亜鉛鉱などに見られます。
樹枝状じゅしじょう
木の枝のように、枝分かれしながら広がった形。
別の言い方デンドライト
木の枝やシダの葉のように、枝分かれしながら広がった形。自然銅の樹枝状の結晶が有名です。マンガン(Mn)の酸化物が岩の割れ目にしみこんでできた、植物の化石のような模様(しのぶ石)も、樹枝状の代表例です。
準鉱物じゅんこうぶつ
鉱物によく似ているが、結晶構造がないなどの理由で、鉱物とは区別されるもの。
別の言い方ミネラロイド
天然にできた固体で鉱物によく似ているものの、原子の並びに規則性がない(非晶質)、成分が決まっていないなどの理由で、厳密には鉱物とされないもの。オパールや黒曜石(天然ガラス)、琥珀などがその例です。この図鑑では、鉱物と並べて載せています。
条痕じょうこん
鉱物を条痕板にこすりつけたときに残る、粉の線(すじ)。
鉱物を、条痕板(素焼きの白い板)にこすりつけたときに残る、粉の線(すじ)のこと。鉱物が細かい粉になって、板の表面に残ったものです。この粉の色を「条痕色」といい、見た目の色よりも安定しているため、鉱物を見分ける手がかりになります。
条痕色じょうこんしょく
鉱物を素焼きの白い板にこすりつけたときに残る粉の色。
鉱物を素焼きの白い板(条痕板)にこすりつけたときに残る、粉の色のこと。見た目の色は不純物などで変わりやすいのに対して、条痕色は同じ鉱物ならほぼ一定なので、見分けに役立ちます。たとえば赤鉄鉱は見た目が黒っぽくても、条痕色は赤褐色になります。
条痕板じょうこんばん
条痕を調べるための、うわぐすりをかけていない素焼きの白い板。
条痕を調べるための、うわぐすりをかけていない素焼きの白い磁器の板。鉱物の角を軽くこすりつけて線を引き、残った粉の色(条痕色)を見ます。板の硬さはモース硬度6.5〜7ほどなので、それより硬い鉱物は、逆に板を削ってしまい、条痕を調べられません。陶器の裏の、うわぐすりのかかっていないざらざらした部分でも代わりになります。白っぽい条痕を見やすくするための、黒い条痕板もあります。
条線じょうせん
結晶の面に見られる、平行な細い筋。
結晶の面に見られる、平行に並んだ細い筋のこと。結晶が育つときに、少しずつちがう面が交互にできることで生まれます。黄鉄鉱の立方体の面の筋や、水晶の柱の面の横筋、トルマリンの柱の縦筋がよく知られ、見分けの手がかりにもなります。
人工鉱物じんこうこうぶつ
人の手でつくった、鉱物と同じ成分・結晶構造をもつ物質。
人の手でつくった、天然の鉱物と同じ成分・結晶構造をもつ物質のこと。合成ルビーや合成ダイヤモンドのほか、時計や電子部品に使われる合成水晶など、工業的にも大量につくられています。性質は天然のものとほとんど変わりませんが、鉱物学の決まり(国際鉱物学連合の定義)では、鉱物は自然の中でできたものだけなので、正式な鉱物の種類には数えません。
人工水晶じんこうすいしょう
工場で、水熱合成法によって育てた水晶。成分も性質も天然の水晶と同じ。
別の言い方合成水晶
高温・高圧の水の中で石英を溶かし、種になる結晶の上にゆっくり育てた水晶のことです(水熱合成法)。成分も原子の並び方も天然の水晶と同じなので、硬さや光の性質も変わりません。不純物がほとんどなく、品質をそろえやすいため、時計やスマートフォンの水晶振動子、光学部品などの材料として大量に作られています。天然の水晶と見た目で区別するのはむずかしく、宝石やアクセサリーで区別が必要なときは、鑑別機関で調べます。
腎臓状じんぞうじょう
ぶどう状よりも大きな、なめらかな丸いふくらみの形。
ぶどう状よりも一つ一つが大きく、腎臓(じんぞう)のように、なめらかに丸くふくらんだ形。赤鉄鉱の腎臓状の塊がよく知られ、英語では「キドニー・オア(腎臓の鉱石)」と呼ばれます。
水晶振動子すいしょうしんどうし
水晶の圧電性を使って、決まった速さで正確に振動させる電子部品。時計やスマホのリズムを刻む。
別の言い方水晶発振子
薄く切った水晶の板に電極を付け、電気をかけると、圧電性によって水晶が決まった速さで正確に振動します。この振動を時間やタイミングの基準として使う電子部品が水晶振動子です。クオーツ時計の「クオーツ」は水晶(石英)のことで、腕時計からスマートフォン・パソコン・テレビ・車まで、正確なリズムが必要な機械のほとんどに入っています。材料には天然の水晶ではなく、水熱合成法で育てた純度の高い人工水晶が使われます。
水熱合成法すいねつごうせいほう
高温・高圧の水の中で原料を溶かし、種になる結晶の上に新しい結晶を育てる方法。
別の言い方水熱法
高温・高圧に耐える容器(オートクレーブ)にアルカリ性の水と原料を入れて熱し、溶けた原料を、温度の低い側に置いた種結晶の上にゆっくり析出させて結晶を育てる方法です。地下の熱水の中で鉱物が育つしくみを、工場で再現したものといえます。水晶振動子に使う人工水晶はこの方法で作られ、合成エメラルドなど宝石の合成にも使われています。
スカルンすかるん
石灰岩がマグマの熱と成分で変わってできた、ざくろ石や輝石などが集まった岩石。
石灰岩などの炭酸塩の岩石にマグマが近づき、その熱と、マグマからしみ出した成分(ケイ素 Si・鉄 Fe など)が反応してできた岩石。灰礬ざくろ石・灰鉄ざくろ石・灰鉄輝石・ベスブ石など、カルシウム(Ca)をふくむ鉱物ができやすく、銅(Cu)・鉄・亜鉛(Zn)・タングステン(W)などの鉱床(スカルン鉱床)になることもあります。
スタビライズすたびらいず
スタビライズドに同じスタビライズドすたびらいずど
樹脂をしみこませて、もろい石を丈夫にする処理をしたもの。
別の言い方スタビライズ
樹脂をしみこませて(含浸して)、もろい石を固く丈夫にする処理をしたもの。「安定化処理」ともいいます。やわらかく欠けやすいターコイズ(トルコ石)に多く、出回っているターコイズの多くは、この処理がされているといわれます。
スペクトルすぺくとる
光を、波長(色)ごとに分けて並べたもの。
光を、波長(色)ごとに分けて並べたもの。白い光を分けると、虹のような色の帯になります。宝石の鑑別では、分光器という道具で石を通った光のスペクトルを見ます。ある色が吸収されて暗い線(吸収線)になっている場所から、ルビーのクロム(Cr)のように、色のもとになっている元素を知る手がかりが得られます。
正方晶系せいほうしょうけい
結晶系のひとつ。直角に交わる3本の軸のうち、2本が同じ長さ(a = b ≠ c)。
7つの結晶系のひとつ。3本の軸がすべて直角に交わり、そのうち2本が同じ長さで、残りの1本だけ長さがちがうグループ(a = b ≠ c)。立方晶系を、1つの方向にだけのばした(または縮めた)形で、上から見ると正方形、横から見ると長方形になります。断面が正方形の柱や、四角錐を2つ合わせたような形の結晶になりやすく、ジルコン・ルチル・錫石・黄銅鉱などがこの仲間です。
石英ガラスせきえいがらす
ほぼ二酸化ケイ素だけでできたガラス。成分は石英と同じだが、結晶ではない。
別の言い方溶融石英・シリカガラス
ほぼ純粋な二酸化ケイ素(SiO2)だけでできたガラスのこと。石英などを高温で溶かして固めたり、ケイ素の化合物から合成したりして作ります。成分は石英と同じですが、原子の並びがそろっていない非晶質(ガラス)で、結晶ではありません。熱に非常に強く、急に熱したり冷やしたりしても割れにくいうえ、紫外線までよく通すため、光ファイバー、半導体を作る装置の部品、実験器具、ハロゲンランプの管などに使われます。ふつうの窓ガラスは、石英の砂にほかの成分を混ぜて溶けやすくしたもので、石英ガラスとは別物です。
石灰岩せっかいがん
主に方解石(炭酸カルシウム CaCO₃)でできた岩石。サンゴや貝殻などからできる。
主に方解石(炭酸カルシウム、CaCO₃)でできた堆積岩。サンゴや貝殻、小さな生き物の殻などが積もってできたものが多く、化石がよく見つかります。雨水に少しずつ溶けるため、鍾乳洞やカルスト地形(山口県の秋吉台など)をつくります。セメントの原料として、日本でも大量に掘られています。
セプターせぷたー
細い柱の先に、ひとまわり太い頭がのった形の結晶。水晶では「松茸水晶」とも呼ばれる。
別の言い方松茸水晶
細い柱状の結晶が育ったあと、その先端の部分だけに新しい結晶が太く育ってできる形です。王さまが持つ杖(セプター)に似ていることから、この名前があります。水晶ではキノコのように見えることから「松茸水晶」とも呼ばれます。水晶やアメジストに見られ、頭の部分だけが紫色のものもあります。
遷移金属せんいきんぞく
鉄(Fe)・銅(Cu)・金(Au)など、周期表のまん中あたり(3族〜11族、または12族)の元素。
周期表のまん中あたり、3族から11族(12族までふくめることも)にある元素の総称。鉄(Fe)・銅(Cu)・金(Au)・銀(Ag)・チタン(Ti)・クロム(Cr)など、身近な金属の多くがここに入ります。鉱物では、ごく少量まじるだけで鮮やかな色をつけるものが多く、ルビーの赤(クロム)や孔雀石の緑(銅)も遷移金属によるものです。
繊維状せんいじょう
とても細い糸のような結晶が、束になって集まった形。
とても細い糸のような結晶が、平行に束になって集まった形。絹のような光沢(絹糸光沢)をもつことが多く、繊維石膏や温石綿(クリソタイル)が代表的です。
染色せんしょく
石を染料などで染めて、色を付けたり変えたりする処理。
石を染料などで染めて、色を付けたり変えたりする処理(トリートメントの一つ)。すき間の多い石は色がしみこみやすく、あざやかな色のアゲート(めのう)の多くは染色されたものです。白いハウ石を青く染めてターコイズに見せたものや、水晶にわざとひびを入れてから色を付けたものもあります。割れ目やすき間に色がたまっていることが、見分けの手がかりになります。
閃緑岩せんりょくがん
灰色の深成岩。白い斜長石と黒い角閃石が混じる。
花崗岩と斑れい岩の中間くらいの成分をもつ深成岩。白い斜長石と、黒っぽい角閃石などが混じり合った、白黒まだらの見た目をしています。成分は安山岩とほぼ同じです。
双晶そうしょう
同じ鉱物の2つ以上の結晶が、決まった向きの関係でくっついて育ったもの。
同じ鉱物の2つ以上の結晶が、決まった向き(対称の関係)でくっついたり、つらぬき合ったりして育ったもの。偶然くっついただけの集まりとはちがい、結晶どうしの角度が決まっています。水晶が約84度で2本くっついた「日本式双晶」や、十字石の十字形、正長石の「カルルスバッド双晶」などが有名です。
た行
TA
38語
対称性たいしょうせい
回したり鏡に映したりしても、元と同じ形に重なる性質。
ある軸のまわりに回したり、鏡に映したように裏返したりしても、元と同じ形に重なる性質。結晶は原子の並びに規則性があるので、形にも対称性があらわれます。たとえば立方体は、向かい合う面の中心を結ぶ軸のまわりに90度回すごとに、元と同じ形に重なります。どんな対称性をもつかで、結晶系が決まります。
帯状構造たいじょうこうぞう
結晶が育つ途中で成分が変わり、中心から外側へ層が重なった構造。
別の言い方累帯構造
結晶が育つあいだに、まわりの液の成分や温度が少しずつ変わると、中心から外側へ向かって、成分の違う層が年輪のように重なります。これが帯状構造です。色の違いとして見えるものは「色帯」と呼ばれ、中心が赤く外側が緑のウォーターメロン・トルマリンや、四角い縞が重なる蛍石が代表的。色が同じでも、顕微鏡で見ると層が分かることがあります。なお、めのうやマラカイトの縞は、細かい結晶の集まりが層になったもので、ひとつの結晶の中の帯状構造とは区別して「縞状構造」と呼ばれます。
堆積岩たいせきがん
砂・泥・火山灰・生き物の殻などが積もり、固まってできた岩石。
川や海の底に積もった砂や泥、火山灰、生き物の殻などが、長い時間をかけて押し固められてできた岩石。地層をつくり、化石が見つかるのもこの岩石です。粒の大きさで分けた礫岩・砂岩・泥岩のほか、凝灰岩・石灰岩・チャートなどがあります。
多形たけい
同質異像に同じ他色たしょく
ごく少量まじった元素などが色のもとで、同じ鉱物でもさまざまな色になること。
鉱物そのものは無色なのに、ごく少量まじった元素(不純物)や結晶の小さな欠陥(色中心)が色のもとになっていること。まじるものによって色が変わるので、同じ鉱物でもさまざまな色になります。たとえばコランダムは、クロム(Cr)がまじると赤いルビーに、鉄(Fe)とチタン(Ti)がまじると青いサファイアになります。他色の鉱物は、粉にすると白っぽくなるのがふつうです。
多色性たしょくせい
見る向きによって、色がちがって見える性質。
結晶を見る向きによって、ちがう色に見える性質。光が結晶の中を進む向きによって、吸収される色が変わるために起こります。アイオライト(菫青石)は特に強く、向きによって青紫・淡い青・淡い黄色などに見えます。タンザナイトやトルマリンでも見られます。
単位格子たんいこうし
結晶の中で、原子の並びがくり返される、いちばん小さな単位。
結晶の中で、原子の並びのパターンがくり返される、いちばん小さな単位の「箱」。3本の軸の長さと、軸どうしの角度で形が表され、その組み合わせで7つの結晶系に分けられます。結晶は、この単位格子を上下・左右・前後にすき間なく積み重ねたものと考えることができます。
単結晶たんけっしょう
全体が1つの結晶としてつながっている、ひとかたまりの結晶。
全体が、原子の並びの向きがそろった1つの結晶としてつながっているもの。小さな結晶がたくさん集まった「多結晶」と対になる言葉です。標本で見かける水晶の1本1本は単結晶です。いっぽう、大理石は方解石の小さな結晶がたくさん集まった多結晶です。
炭酸塩鉱物たんさんえんこうぶつ
炭酸イオン(CO₃)をふくむ鉱物。方解石・孔雀石など。
炭素(C)と酸素(O)が結びついたまとまり(炭酸イオン CO₃)をふくむ鉱物。方解石・霰石・孔雀石・藍銅鉱・菱マンガン鉱などがあります。塩酸などの酸をかけると、泡(二酸化炭素 CO₂)を出して溶けるものが多いのが特徴です。
単斜晶系たんしゃしょうけい
結晶系のひとつ。3本の軸の長さがすべてちがい、そのうち1本だけが斜めに傾く。
7つの結晶系のひとつ。3本の軸の長さがすべてちがい、そのうち1本だけが斜めに傾いているグループ(a ≠ b ≠ c、β ≠ 90°)。マッチ箱を横から押してずらしたような形で、斜めにかたむいた柱や板の結晶になりやすいです。じつは鉱物でいちばん多い結晶系で、石膏・正長石・白雲母・藍銅鉱・孔雀石などがこの仲間です。
誕生石たんじょうせき
1月〜12月の、それぞれの月にあてはめられた宝石。
1月〜12月の、それぞれの月にあてはめられた宝石のこと。1912年にアメリカの宝石商の団体が定めたリストがもとになっていて、日本では1958年に独自の誕生石が決められ、2021年には新しい石が追加されました。
タンブルたんぶる
回転する容器の中でころがして、丸くつやつやに磨いた小さな石。
別の言い方タンブルストーン
小さな石を、研磨剤といっしょに回転する容器に入れ、何日もかけてころがして、丸くつやつやに磨いたもの。タンブルストーンともいいます。手ごろな値段で、いろいろな種類の石を集めやすいのが魅力です。
ダイヤモンド光沢だいやもんどこうたく
ダイヤモンドのような、ガラスより強くぎらぎらした輝き。
別の言い方金剛光沢
ダイヤモンドのような、ガラス光沢よりも強く、ぎらぎらとした輝き。非金属光沢の一種で、光を大きく曲げる(屈折率が高い)鉱物に見られます。ダイヤモンドのほか、白鉛鉱・ジルコン・ルチルなどがこの光沢をもちます。「金剛光沢」ともいいます。
大理石だいりせき
石灰岩が熱で再結晶し、方解石の粒が大きくなった岩石。
別の言い方結晶質石灰岩
石灰岩がマグマの熱などで再結晶し、方解石の粒が大きく育った変成岩。学術的には「結晶質石灰岩」ともいいます。みがくと美しいつやが出るため、昔から彫刻や建物に使われてきました。名前は、良い石材が採れた中国・雲南省の大理から。ただし石材の世界では、ふつうの石灰岩や蛇紋岩などもまとめて「大理石」と呼ぶことがあります。
ダブレットだぶれっと
2つの材料をはり合わせて、一つの石のように見せたもの。
2つの材料をはり合わせて、一つの石のように見せたもの(はり合わせ石)。薄いオパールの下に黒い石をはって、遊色を目立たせたものなどがあります。横から見ると、はり合わせた境目の線が見えることがあります。
地殻ちかく
地球のいちばん外側をおおう、岩石でできたうすい層。
地球のいちばん外側をおおう、岩石でできた層のこと。地球全体から見るとリンゴの皮よりうすいくらいで、陸の下では厚さ30〜50kmほど(大陸地殻)、海の下では5〜10kmほど(海洋地殻)です。大陸地殻は花崗岩のような石英や長石の多い岩石、海洋地殻は玄武岩が中心です。地殻をつくる鉱物の大部分はケイ酸塩鉱物で、なかでも長石と石英がとても多く含まれています。
チャートちゃーと
放散虫などの殻が積もってできた、とてもかたい岩石。
二酸化ケイ素(SiO₂)の殻をもつ、放散虫という小さな生き物などが、深い海の底に積もってできた堆積岩。石英の細かい粒でできていて、とてもかたく、割ると鋭い角ができます。昔は火打ち石や石器の材料に使われました。
柱状ちゅうじょう
細長い柱のような形の結晶。
結晶が一方向に長くのびて、細長い柱のような形になったもの。水晶の六角柱や、トルマリンの縦に筋の入った柱が代表的です。柱の太さや長さは、同じ鉱物でも育ち方によってさまざまです。
長石ちょうせき
地殻にいちばん多くふくまれる、ケイ酸塩鉱物のグループ。
アルミニウム(Al)をふくむケイ酸塩鉱物のグループで、地殻(地球の表面の部分)にいちばん多くふくまれる鉱物です。カリウム(K)をふくむ「カリ長石」(正長石・微斜長石など)と、ナトリウム(Na)やカルシウム(Ca)をふくむ「斜長石」(曹長石〜灰長石)に大きく分けられます。花崗岩などの岩石の主な材料で、モース硬度6の目安にもなっています。ムーンストーン・サンストーン・ラブラドライト・アマゾナイトなど、宝石として使われるものもあります。英名の feldspar は、ドイツ語の「畑(Feld)」と「割れやすい石(Spat)」から。
直方晶系ちょくほうしょうけい
結晶系のひとつ。3本の軸が直角に交わり、長さはすべてちがう(a ≠ b ≠ c)。
別の言い方斜方晶系
7つの結晶系のひとつ。3本の軸はすべて直角に交わりますが、長さはすべてちがうグループ(a ≠ b ≠ c)。マッチ箱のような直方体が基本の形で、断面がひし形の柱や、短冊のような板の結晶になりやすいです。以前は「斜方晶系」と呼ばれていましたが、軸が斜めに交わるわけではないため、今は「直方晶系」が使われます。トパーズ・霰石・硫黄・重晶石などがこの仲間です。
珍奇鉱物ちんきこうぶつ
産地や見つかる量がとても限られた、めずらしい種類の鉱物のこと。愛好家の間での呼び名。
見つかる産地や量がとても限られていて、ふだんなかなか目にすることのない、めずらしい種類の鉱物のこと。学術的な分類の名前ではなく、愛好家の間で使われる呼び名です。めずらしさや成り立ち、産地を知る楽しさで集められることが多く、ルーペや顕微鏡でやっと形が分かる小さな結晶もあれば、見た目が美しいファインミネラルもあります。この呼び名は、雑誌『BRUTUS(ブルータス)』が2022年から「珍奇鉱物」の特集を組んだことで広く知られるようになりました。その特集では、めずらしい鉱物にかぎらず、形や色がふしぎで魅力的な鉱物をまとめてこう呼んでいて、そうした広い意味で使われることも多くなっています。
ツーソンショーつーそんしょー
毎年1〜2月にアメリカ・アリゾナ州ツーソンで開かれる、世界最大の鉱物・宝石・化石のショー。
毎年1月下旬から2月にかけて、アメリカ・アリゾナ州のツーソンで開かれる、世界最大の鉱物・宝石・化石のショー。街のあちこちで数十ものショーが同時に開かれていて、それらをまとめてツーソンショーと呼びます。中心となるショーは1955年に始まり、世界中から業者や博物館が集まります。新しく見つかった産地の標本が、ここで初めてお披露目されることも少なくありません。
テッシン晶癖てっしんしょうへき
水晶の柱が、先へ向かってだんだん細くなり、とがった塔のような形になる晶癖。スイスのテッシン地方にちなむ名前。
別の言い方テッシン型
水晶(石英)の晶癖のひとつで、六角柱の柱の面と、傾きの急な錐面が交互に重なりながら伸びるため、柱が先へ向かってだんだん細くなり、ろうそくの炎やとがった塔のような形になります。名前は、こうした水晶がよく見つかるスイス・アルプスのティチーノ州(ドイツ語でテッシン)にちなみます。アルプスの岩の割れ目(アルパイン・フィッシャー)で育つことが多く、どんな条件でこの形になるのかは、まだはっきりわかっていません。同じ石英でも、育つ環境によって結晶の形が大きく変わることを教えてくれる、コレクターに人気の形です。
典型金属てんけいきんぞく
遷移金属以外の金属元素。アルミニウム(Al)・スズ(Sn)・鉛(Pb)など。
遷移金属以外の金属元素のこと。広い意味ではアルカリ金属やアルカリ土類金属もふくみますが、このサイトの周期表ではそれらを別の色にしているので、アルミニウム(Al)・スズ(Sn)・鉛(Pb)・ビスマス(Bi)など、周期表の右寄りにある金属をこの色で示しています。
展性てんせい
たたくと割れずに、うすく広がる性質。
たたいたり押したりすると、割れずにうすく広がる性質。金(Au)は特に展性が大きく、向こうが透けて見えるほどうすい「金箔」にまでのばすことができます。金・銀(Ag)・銅(Cu)などの元素鉱物は展性があり、たたいても砕けません。
天然ガラスてんねんがらす
溶けた岩石が急に冷え固まり、結晶にならずにガラスになったもの。
溶岩などがとても速く冷え固まり、結晶になる時間がなかったために、ガラス(非晶質)になったもの。黒曜石が代表的です。隕石が衝突したときの熱でできたテクタイトや、リビアングラスも天然ガラスです。
天然石てんねんせき
人がつくったものではなく、自然の中でできた石。
人がつくったものではなく、自然の中でできた石のこと。合成石やイミテーションに対して使われる言葉です。ただし「天然」は「つくられたものではない」という意味で、手が加えられていないとはかぎりません。お店で「天然石」と書かれていても、色を良くするための加熱や染色などの処理がされていることはよくあります。また、アクセサリーの世界では、鉱物ではない琥珀やサンゴ、岩石のラピスラズリなども、まとめて天然石と呼びます。
テンパーカラーてんぱーからー
鉱物の表面にできた薄い膜によって見える、虹色のかがやき。
鉱物の表面にできたとても薄い膜(酸化や変質による膜)で光が干渉し、青・紫・金色などの虹色に見えること。もとは、鉄(Fe)を熱したときに表面に出る色(焼き戻しの色、temper color)を表す言葉です。黄銅鉱や斑銅鉱の表面が、くじゃくの羽のような色になったものがよく知られています。ミネラルショーなどで見かける虹色のビスマス(Bi)の結晶も、同じしくみで色が付いています。
泥岩でいがん
泥(直径1/16mm未満)が固まってできた岩石。
直径1/16mmより小さい泥の粒が、固まってできた堆積岩。すべすべした手ざわりで、薄くはがれやすいものは「頁岩(けつがん)」とも呼ばれます。マグマの熱で焼かれると、かたいホルンフェルスに変わります。
デンドライトでんどらいと
樹枝状に同じ東京ミネラルショーとうきょうみねらるしょー
池袋ショーに同じ等軸晶系とうじくしょうけい
立方晶系に同じトリカラーとりからー
1つの結晶の中に、3つの色が分かれて見えるもの。
1つの結晶や石の中に、3つの色が分かれて見えるもの(英語で「3色の」という意味)。バイカラーと同じく、結晶が育つ途中で取りこまれる成分が変わったためにできます。トルマリンでは、ピンク・無色・緑のように、3色が層になったものが見られます。
トリプレットとりぷれっと
3つの層をはり合わせて、一つの石のように見せたもの。
3つの層をはり合わせて、一つの石のように見せたもの。とても薄いオパールの下に黒い裏打ちをはり、上に透明な水晶やガラスのドームをかぶせて守ったものがよく知られています。
トリートメントとりーとめんと
宝石の色や見た目を変える処理のうち、エンハンスメントにあたらないもの。
宝石の色や見た目を変えるために行われる処理のうち、エンハンスメントにあたらないもの。染色、樹脂の含浸、放射線の照射、表面のコーティングなどがあります。処理されていることを伝えて売ることになっていて、鑑別書にも処理の内容が書かれます。
同質異像どうしついぞう
成分(化学組成)は同じなのに、原子の並び方(結晶構造)がちがう、別の鉱物どうしの関係。
別の言い方多形
化学組成がまったく同じでも、できたときの温度や圧力によって原子の並び方が変わり、別の鉱物になることがあります。この関係を同質異像といいます。ダイヤモンドと石墨は、どちらも炭素(C)だけでできていますが、硬さも見た目もまるでちがいます。方解石と霰石(どちらも炭酸カルシウム CaCO₃)や、藍晶石・紅柱石・珪線石(どれも同じ成分)も同質異像です。
土状どじょう
土のように、やわらかくぼそぼそした状態。
とても細かい粒が集まって、土のようにやわらかく、ぼそぼそした状態。光沢もほとんどなく、こうした輝き方を「土状光沢」といいます。カオリン石や褐鉄鉱などによく見られます。
土状光沢どじょうこうたく
ほとんど輝きのない、土のような見た目。
別の言い方無光沢
光をほとんど反射せず、土や粉のように見えること。非金属光沢の仲間に入れられますが、「光沢がない(無光沢)」ともいえる状態で、「光沢」と呼ぶかどうかは本によってちがいます。細かい粒が集まったカオリン石や褐鉄鉱などに見られます。
な行
NA
5語
内包物ないほうぶつ
インクルージョンに同じ熱水ねっすい
地下深くで、マグマの熱などで温められた熱い水。いろいろな成分を溶かし込んでいて、冷えると鉱物をつくる。
地下深くで、マグマの熱や地熱によって温められた水のこと。高い温度と圧力のもとでは、ふつうの水よりずっと多くの成分(ケイ素・金属など)を溶かし込むことができます。この熱水が岩の割れ目や空洞を通りながら冷えていくと、溶けていた成分が鉱物として沈殿し、水晶や蛍石の結晶、金や銀・銅などの鉱脈ができます。こうしてできた鉱床を「熱水鉱床」と呼び、多くの金属資源がこのタイプです。
熱発光ねつはっこう
熱ルミネッセンスに同じ熱ルミネッセンスねつるみねっせんす
鉱物を加熱したときに光を放つ現象。
別の言い方熱発光
鉱物を加熱したときに、ぼんやりと光を放つ現象。過去に受けた天然の放射線のエネルギーが結晶の中にたまっていて、熱を加えるとそれが光として出てきます。蛍石の和名「蛍石」は、この性質に由来します。
練りねり
石の粉やかけらを、樹脂などでねり固めたもの。
別の言い方リコンストラクテッド
石の粉や小さなかけらを、樹脂などでねり固めて、一つの石のようにしたもの。英語ではリコンストラクテッド(再構成された)といいます。ターコイズや琥珀(練り琥珀)などで見られます。材料は天然の石でも、一つの石として育ったものではありません。
は行
HA
39語
ハロゲンはろげん
フッ素(F)・塩素(Cl)など、周期表の17族の元素。
フッ素(F)・塩素(Cl)・臭素(Br)・ヨウ素(I)など、周期表の17族の元素。ほかの元素と結びつきやすく、自然の中では化合物として存在します。ハロゲンが主な成分の鉱物を「ハロゲン化鉱物」といい、蛍石(フッ素)や岩塩(塩素)が代表です。
ハロゲン化鉱物はろげんかこうぶつ
フッ素(F)・塩素(Cl)などのハロゲンが主な成分の鉱物。蛍石・岩塩など。
フッ素(F)・塩素(Cl)などのハロゲンが主な成分の鉱物。蛍石・岩塩・氷晶石などがあります。やわらかいものが多く、岩塩のように水に溶けるものもあります。
半金属はんきんぞく
金属と非金属の中間の性質をもつ元素。ケイ素(Si)・ヒ素(As)・アンチモン(Sb)など。
金属と非金属の中間の性質をもつ元素。ホウ素(B)・ケイ素(Si)・ゲルマニウム(Ge)・ヒ素(As)・アンチモン(Sb)・テルル(Te)などが入ります(どこまで入れるかは資料によって少しちがいます)。半導体の材料になるものが多く、ケイ素は石英などのケイ酸塩鉱物の主な成分です。
汎用金属はんようきんぞく
ベースメタルに同じ斑れい岩はんれいがん
黒っぽい深成岩。玄武岩と同じ成分で、ゆっくり冷えたもの。
二酸化ケイ素(SiO₂)が少なく、鉄(Fe)やマグネシウム(Mg)を多くふくむ、黒っぽい深成岩。斜長石と輝石などの大きな粒でできています。成分は玄武岩とほぼ同じで、海の底の大地(海洋地殻)の深い部分をつくっています。
ハーキマーダイヤモンドはーきまーだいやもんど
アメリカ・ニューヨーク州ハーキマー周辺で採れる、両端がとがった小さく透明な水晶の呼び名。ダイヤモンドではない。
アメリカ・ニューヨーク州のハーキマー郡周辺で採れる、両端がとがった(両錐の)小さな水晶の呼び名。岩石のすき間で、どこにもくっつかずに育つためにこの形になり、透明度が高く、よく光ることから「ダイヤモンド」と呼ばれています。鉱物としてはダイヤモンドではなく石英(水晶)です。
バイカラーばいからー
1つの結晶の中に、2つの色がはっきり分かれて見えるもの。
1つの結晶や石の中に、2つの色がはっきり分かれて見えるもの(英語で「2色の」という意味)。結晶が育つ途中で、取りこまれる成分が変わったためにできます。ピンクと緑に分かれたトルマリン(断面がスイカのように見えるものは「ウォーターメロン」と呼ばれます)や、紫と黄色が1つになったアメトリンなどが有名です。3色以上のものは「トリカラー」「パーティカラー」と呼ばれることもあります。
板状ばんじょう
うすい板のような形の結晶。
結晶が一つの方向にだけ薄く、平たい板のような形になったもの。重晶石の板状の結晶や、モリブデン鉛鉱(水鉛鉛鉱)のうすい四角い板がよく知られています。
パーティカラーぱーてぃからー
1つの石の中に、いくつもの色が分かれて見えるもの。
1つの結晶や石の中に、いくつもの色が分かれて見えるもの(英語の parti-colored は「色分けされた」という意味)。2色のバイカラーや3色のトリカラーもふくめて、まとめてこう呼ぶことがあります。トルマリンや、黄色・緑・青が1つの石に入ったサファイア(パーティサファイア)などが知られています。
非金属ひきんぞく
金属の性質をもたない元素。酸素(O)・炭素(C)・硫黄(S)など。
電気や熱を通しにくく、金属のような光沢もないなど、金属の性質をもたない元素。酸素(O)・炭素(C)・窒素(N)・硫黄(S)・リン(P)などで、広い意味ではハロゲンや貴ガスもふくみます。酸素は地殻でいちばん多い元素で、ほとんどの鉱物にふくまれています。硫黄や炭素(ダイヤモンド・石墨)は、それ自体が鉱物(元素鉱物)として見つかります。
非金属光沢ひきんぞくこうたく
金属のようではない輝きの総称。ガラス光沢・真珠光沢などに細かく分ける。
金属のようではない輝きをまとめた呼び方。光をある程度通す鉱物の多くがこの光沢で、見た目によって、ガラス光沢・ダイヤモンド光沢・樹脂光沢・脂肪光沢・真珠光沢・絹糸光沢・土状光沢などに、さらに細かく分けられます。
非晶質ひしょうしつ
原子の並び方に、規則的なくり返しがない固体。
原子の並び方に、結晶のような規則的なくり返しがない固体のこと。ガラスが代表的です。決まった単位格子をもたないので、どの結晶系にも入りません。オパールや黒曜石は非晶質です。
比重ひじゅう
同じ体積の水と比べて、何倍の重さかを表す数値。
同じ体積の水と比べて、何倍の重さがあるかを表す数値。比重3なら、同じ大きさの水の3倍の重さです。手に持ったときの「見た目より重い・軽い」という感覚の目安になり、似た鉱物を見分ける手がかりにもなります。
標本ひょうほん
観察や研究、鑑賞のために集めて保存された、鉱物などの実物。
観察や研究、鑑賞のために採集し、保存された鉱物や岩石の実物のこと。産地や採集日などの記録(ラベル)とセットで保管することで、価値が高まります。母岩についたままの標本や、手のひらにのる小さな標本など、さまざまな楽しみ方があります。
ファイアふぁいあ
分散に同じファインミネラルふぁいんみねらる
結晶の形・色・つやなどが特に美しく、鑑賞用として高く評価される鉱物標本のこと。
結晶の形・色・つや・透明感がすぐれていて、欠けや傷が少なく、全体のバランスも美しい、鑑賞用として高く評価される鉱物標本のこと(英語の fine mineral から)。結晶が母岩についたままの、見ごたえのある標本が好まれます。世界中のコレクターや博物館が求めるため、ミネラルショーなどで高い値段で取り引きされることもあります。
ファントムふぁんとむ
結晶の中に、育つ途中だったころの姿が、影のように見えるもの。水晶では「山入り水晶」とも呼ばれる。
別の言い方山入り水晶
結晶が育つ途中でいったん成長が止まり、その表面に細かい鉱物の粉がついたり、色の違う成分が取りこまれたりしたあと、また結晶が育ちはじめると、中に「前の結晶の形」が影のように残ります。これをファントム(英語で「まぼろし」)といいます。水晶では、中にとがった山の形が見えることから「山入り水晶」とも呼ばれ、緑泥石の緑色の山が入ったものが人気です。蛍石やアメジストにも見られます。
風化ふうか
地表の岩石が、雨や温度の変化、植物などのはたらきで、崩れたり別の物質に変わったりすること。
地表に出た岩石が、長い時間をかけて崩れたり、別の物質に変わったりすること。温度の変化や、割れ目にしみこんだ水が凍ってふくらむことなどで細かく砕けていく「物理的風化」と、雨水や空気と反応して鉱物そのものが変わっていく「化学的風化」があります。たとえば長石は化学的風化で粘土鉱物に変わりやすいのに対し、石英は硬く水にもほとんど溶けないため、最後まで残って砂の主な成分になります。鉱山の地表近くでは、風化によって孔雀石や藍銅鉱のような色あざやかな鉱物ができることもあります。
複屈折ふくくっせつ
結晶に入った光が、2つに分かれて進む性質。透明な方解石を文字の上に置くと、文字が二重に見える。
別の言い方二重屈折
光が結晶に入ると、結晶の向きによっては、進み方の違う2本の光に分かれます。これを複屈折といいます。透明な方解石(光学方解石)は複屈折がとても強く、文字の上に置くと、文字がはっきり二重に見えることで有名です。水晶にも複屈折がありますが弱く、水晶玉を通して細い線を見たときに、向きによって二重に見える程度です。立方晶系の鉱物(ダイヤモンド・岩塩・蛍石など)やガラスには複屈折がないため、宝石の見分けの手がかりにもなります。
フラックスふらっくす
融剤に同じぶどう状ぶどうじょう
ぶどうの房のような、小さな丸いふくらみが集まった形。
小さな丸いふくらみがたくさん集まって、ぶどうの房のように見える形。孔雀石や、名前の由来にもなったぶどう石によく見られます。中は放射状の結晶が集まった構造になっていることが多いです。
ブラックライトぶらっくらいと
目に見えない紫外線を出すライト。蛍光する鉱物を光らせるのに使う。
別の言い方UVライト
目にはほとんど見えない紫外線(UV)を出すライト。暗い場所で当てると、蛍石や方解石などの蛍光する鉱物が、さまざまな色に光って見えます。鉱物の観察では、波長の長い「長波」と短い「短波」のライトを使い分けることがあります。紫外線は目や肌に良くないので、光を直接見ないように注意しましょう。
分散ぶんさん
白い光を虹の色に分ける性質。宝石では「ファイア」と呼ばれるきらめきになる。
別の言い方ファイア
光が物質を通るとき、色(波長)によって曲がり方が少しずつちがうため、白い光が虹の色に分かれる性質。分散が大きい宝石をカットすると、虹色のきらめき(ファイア)が見えます。ダイヤモンドは分散が大きいことで知られ、スフェーン(チタナイト)はダイヤモンドよりさらに大きな分散をもちます。
分子ぶんし
いくつかの原子が結びついてできた、その物質の性質をもつ最小の粒。
いくつかの原子が結びついてできた粒で、その物質の性質をもつ最小の単位です。たとえば水(H₂O)は、酸素(O)の原子1つと水素(H)の原子2つが結びついた分子が集まったもの。多くの鉱物は分子の集まりではなく、原子がすき間なくつながった結晶でできていますが、石膏のように、結晶の中に水の分子をふくむ鉱物もあります。
劈開へきかい
結晶が決まった方向に沿って、平らな面できれいに割れる性質。割れる方向の数や角度は鉱物ごとに決まっている。
結晶が、特定の方向に沿って平らな面できれいに割れる性質のこと。原子の並び方の中に、結びつきの弱い方向があるために起こります。割れる方向の数や角度は鉱物ごとに決まっていて、雲母は1方向(薄い板にはがれる)、方解石は3方向(菱形のブロックになる)、岩塩や方鉛鉱は3方向(立方体になる)、蛍石は4方向(八面体になる)です。長石や輝石・角閃石のように、2方向の劈開が交わる角度のちがいで見分けられる鉱物もあります。割れやすさの程度は「完全」「明瞭」「不明瞭」などと表され、石英のように劈開がない鉱物は、不規則な割れ口(断口)になります。劈開は硬さとは別の性質で、いちばん硬いダイヤモンドにも劈開があり、強い力がかかると割れてしまいます。また、劈開は結晶系(晶系)とも直接は関係しません。同じ立方晶系でも、岩塩は3方向、蛍石は4方向に割れ、ざくろ石には劈開がありません。劈開が出るかどうかは、原子の結びつきの中に「弱い面」があるかどうかで決まります。硬いトパーズも、1方向の劈開で割れやすいので注意が必要です。
劈開面へきかいめん
劈開で割れてできた、平らな面。
劈開で割れてできた、平らな面のこと。光をよく反射して、きらっと光るので、向きを変えながら見ると劈開の方向が分かります。結晶が育ってできた面(結晶面)とちがい、劈開面は割るたびに同じ向きに何度でも現れ、階段のような段差になっていることもあります。お店で見かける蛍石の八面体や、方解石の菱形のかたまりは、劈開面で割り出してつくられたものが多くあります。
変種へんしゅ
同じ鉱物のうち、色などの違いで特別な名前が付いたもの。正式な鉱物種ではない。
同じ鉱物種のうち、色や見た目の違いによって特別な名前で呼ばれているもの。正式な鉱物種ではありません。たとえばアメジストは紫色の石英、ルビーは赤いコランダムの変種です。宝石の名前の多くは、この変種の名前です。
変色効果へんしょくこうか
太陽の光と電球の光のように、照らす光の種類によって色が変わって見える現象。
別の言い方カラーチェンジ
太陽の光(昼光)と、電球やろうそくの光のように、照らす光の種類によって色がちがって見える現象。アレキサンドライトが代表で、昼光では緑、電球の光では赤っぽく見えます。少量のクロム(Cr)による光の吸収のしかたが、照らす光の色の成分のちがいに、敏感に反応するために起こります。
変成岩へんせいがん
もとの岩石が、熱や圧力によって別の岩石に変わったもの。
火成岩や堆積岩が、地下で熱や圧力を受け、溶けないまま中の鉱物がつくり変わって(再結晶して)できた岩石。マグマの熱で焼かれた「接触変成岩」(ホルンフェルス・大理石など)と、プレートの沈み込みなどで広い範囲が熱や圧力を受けた「広域変成岩」(結晶片岩・片麻岩など)があります。
片麻岩へんまがん
高い温度と圧力で、白と黒の縞模様ができた変成岩。
地下深くで高い温度と圧力を受けてできた変成岩。白っぽい石英・長石と、黒っぽい黒雲母などが分かれて並び、白と黒の縞模様が見られます。
ベンガラべんがら
赤鉄鉱と同じ酸化鉄(Fe₂O₃)でできた、赤い顔料。
別の言い方弁柄・紅殻
赤鉄鉱と同じ酸化鉄(Fe₂O₃)を主な成分とする、赤い顔料(色の粉)。名前は、インドのベンガル地方から伝わったことに由来するといわれ、漢字では「弁柄」「紅殻」と書きます。赤い土をそのまま使ったものは、大昔から壁画や土器の色付けに使われてきました。日本では江戸時代から、岡山県の吹屋(ふきや)が産地として栄え、町家の格子や漆器、焼き物の赤絵などに使われています。赤鉄鉱は黒っぽい見た目でも、粉にすると赤くなり(条痕色)、これがベンガラの色です。
ベースメタルべーすめたる
銅(Cu)・鉛(Pb)・亜鉛(Zn)・スズ(Sn)・アルミニウム(Al)など、大量に生産され、身近な製品に広く使われている金属。
別の言い方汎用金属・卑金属
銅(Cu)・鉛(Pb)・亜鉛(Zn)・スズ(Sn)・アルミニウム(Al)のように、産業で大量に使われ、生産量も多い金属のこと。「汎用金属」とも呼ばれます。電線(銅)や缶(アルミニウム)、めっき(亜鉛)など、身近な製品の材料になっています。鉄(Fe)は「鉄鋼」として別に扱われることが多く、どこまでを含めるかは分野によって少しずつ異なります。「卑金属」と訳されることもありますが、化学でいう卑金属(空気中でさびやすい金属)とは、範囲が少し異なります。鉱物では、黄銅鉱(銅)・方鉛鉱(鉛)・閃亜鉛鉱(亜鉛)・錫石(スズ)などが、これらの金属の主な原料(鉱石)です。
ペグマタイトぺぐまたいと
結晶がとても大きく育った、花崗岩に近い成分の岩石。宝石の産地になる。
マグマが冷え固まる最後の段階で、水などを多くふくむ液がゆっくり冷えてできた、結晶がとても大きい岩石。主に花崗岩と同じ石英・長石・雲母でできています。リチウム(Li)やベリリウム(Be)などの珍しい元素が集まりやすく、トルマリン・ベリル(アクアマリン)・トパーズなど、美しい宝石の結晶が見つかる場所として知られています。
ホウ酸塩鉱物ほうさんえんこうぶつ
ホウ素(B)と酸素(O)が結びついたまとまり(BO₃・BO₄)をふくむ鉱物。ホウ砂・ウレックス石など。
ホウ素(B)と酸素(O)が結びついたまとまり(BO₃・BO₄)をふくむ鉱物。ホウ砂や、繊維状の結晶が光を通して文字を浮かび上がらせる「テレビ石」ことウレックス石などがあります。乾燥した地域の塩湖の跡などで見つかります。
放射状ほうしゃじょう
細長い結晶が、一点から外へ広がるように並んだ形。
針状や柱状の細長い結晶が、一点から外へ向かって、花火や菊の花のように広がって並んだ形。輝安鉱やソーダ沸石の放射状の集まりがよく知られています。
ホルンフェルスほるんふぇるす
マグマの熱で焼かれて、かたく緻密に変わった岩石。
泥岩や砂岩などの岩石が、近くに入ってきたマグマの熱で焼かれ、かたく緻密に変わった岩石(接触変成岩)。割ると角のように鋭く割れることから、ドイツ語で「角の岩」という意味の名前が付きました。紅柱石や菫青石などの鉱物ができることがあります。
母岩ぼがん
結晶がくっついて育っている、もとの岩石。
結晶がくっついて育っている、もとの岩石のこと。母岩が付いたままの標本は、その鉱物が自然の中でどのようにできていたか(産状)が分かるため、コレクターに人気があります。
ポイントぽいんと
先がとがった水晶などの柱状の結晶を、1本ずつ呼ぶときの言葉。鉱物ショップでよく使われる。
群晶などから1本ずつ取れた、先がとがった柱状の結晶のこと。水晶でよく使われる呼び名で、売り場では「水晶ポイント」のように書かれます。学術的な用語ではなく、ショップや即売会で使われる言葉です。1本1本はふつう単結晶です。先をみがいて形を整えたもの(研磨ポイント)もあり、天然の結晶の柱の面には横すじ(条線)がありますが、みがいた面にはありません。
ポケットぽけっと
岩石の中にある、結晶が自由に育った空洞。掘り当てると、きれいな結晶がまとまって見つかる。
ペグマタイトや鉱脈の中にある、すき間のような空洞のこと。まわりの岩にじゃまされずに結晶が育つので、形の整った大きな結晶ができやすい場所です。トルマリンやトパーズ、アクアマリン、煙水晶などのみごとな標本の多くは、ポケットから掘り出されたもの。中が粘土で埋まっていることも多く、掘り手にとっては「ポケットを当てる」のが何よりの大当たりです。
ま行
MA
11語
松茸水晶まつたけすいしょう
セプターに同じ御影石みかげいし
花崗岩に同じ右水晶・左水晶みぎすいしょう・ひだりすいしょう
原子のらせんのねじれる向きによる、水晶の2つのタイプ。互いに鏡に映した関係になっている。
石英の結晶の中では、原子がらせん階段のようにねじれながら並んでいて、そのねじれの向きによって「右水晶」と「左水晶」の2つのタイプがあります。2つは右手と左手のように、鏡に映すと重なる関係(鏡像)です。見た目で見分ける手がかりになるのが、とがった先の大きな面(r面)のすぐ下にある柱の面の、上の角に現れる「x面」という小さな面で、右上の角にあれば右水晶、左上の角にあれば左水晶です。ただ、x面がはっきり見える結晶はまれで、ほとんどの水晶は外から見ただけでは区別できません。右水晶と左水晶では、偏光(振動の向きがそろった光)を回す向きも逆になります。
水入り水晶みずいりすいしょう
結晶が育つときにとりこんだ液体が、中の小さなすき間にとじこめられている水晶。
水晶が育つとき、まわりの液体(熱水など)が結晶の小さなすき間にとじこめられたもの。液体の中に気泡があり、傾けると泡が動いて見えるものもあります。インクルージョンの一種で、鉱物の名前ではなく、見た目による呼び名です。
ミネラルみねらる
英語で「鉱物」のこと。日本では栄養素(無機質)の意味で使われることが多い。
英語の mineral は「鉱物」のこと。日本語の「ミネラル」は、カルシウム(Ca)・鉄(Fe)・亜鉛(Zn)など、体に必要な無機質の栄養素の意味で使われることが多く、ミネラルウォーターもこちらの意味です。鉱物の展示即売会「ミネラルショー」や「ミネラルフェア」のミネラルは、鉱物の意味です。
ミネラルショーみねらるしょー
鉱物・化石・宝石・隕石などを、展示して販売するイベント。
鉱物・化石・宝石・隕石などを、たくさんのお店が持ち寄って展示・販売するイベント。日本でも東京・大阪・名古屋など各地で開かれていて、図鑑でしか見たことのない鉱物を、実際に手に取って見られるのが魅力です。小さな標本なら手ごろな値段で買えることも多く、標本集めの入口にもなっています。
ミネラルタックみねらるたっく
標本を台やケースに固定するための、粘土のような粘着剤。
鉱物の標本を、台やケースの中に固定するための、粘土のようなやわらかい粘着剤。何度でも付けはがしができるので、小さな結晶を立てて飾ったり、地震で標本が転がらないようにしたりするのに使われます。ざらざらした面や、すき間の多い標本には残りやすいので、目立たない部分に少量使うのがおすすめです。
ミネラロイドみねらろいど
準鉱物に同じ無光沢むこうたく
土状光沢に同じ模造石もぞうせき
イミテーションに同じモース硬度もーすこうど
鉱物どうしをこすり合わせて、どちらに傷がつくかで硬さを1〜10で表したもの。
別の言い方硬度
10種類の基準の鉱物(1=滑石〜10=ダイヤモンド)と、こすり合わせてどちらに傷がつくかを比べて、硬さを1〜10の段階で表したもの。数字は「どちらが硬いか」の順番を表すだけで、硬さの比率ではありません。たとえば9のコランダムと10のダイヤモンドの間には、数字以上の大きな差があります。
や行
YA
6語
山入り水晶やまいりすいしょう
ファントムに同じ有機鉱物ゆうきこうぶつ
生物に由来する有機物(炭素の化合物)からできた鉱物。
生物に由来する有機物(炭素をふくむ化合物)からできた鉱物。シュウ酸塩の鉱物(ホウェウェル石など)や、蜜蝋石などがあります。この図鑑では、木の樹脂が固まった琥珀もこのグループに並べていますが、琥珀は結晶ではないので、厳密には準鉱物です。
融剤ゆうざい
金属を精錬するとき、原料を溶けやすくするために加える物質。
別の言い方フラックス
金属を精錬するときなどに、原料を溶けやすくしたり、不純物を取り除きやすくしたりするために加える物質。フラックスとも呼ばれます。蛍石は代表的な融剤で、英名の Fluorite(ラテン語の「流れる」)もこの使い方に由来します。
遊色ゆうしょく
オパールに見られる、見る角度によって虹色の光がゆらめく現象。
主にオパールに見られる、見る角度によって赤・緑・青などの虹色の光が、ゆらめくように現れては消える現象。オパールの中で、とても小さなシリカ(SiO₂)の球が規則正しく並んでいて、その間で光が分かれる(回折する)ことで生まれます。遊色のあるオパールは「プレシャスオパール」と呼ばれます。
油脂光沢ゆしこうたく
脂肪光沢に同じUVライトゆーぶいらいと
ブラックライトに同じら行
RA
20語
ラベルらべる
標本に添える、鉱物名・産地・採集日などを書いた札。
標本に添える、鉱物名・産地・採集日・採集した人などを書いた札のこと。鉱物の標本では、どこで見つかったかという産地の情報がとても大切で、ラベルのない標本は、学術的な価値も、売り買いするときの価値も下がってしまいます。有名なコレクターや博物館の古いラベルは、それ自体が標本の歴史を伝えるものとして大切にされます。
ラボグロウンらぼぐろうん
合成石に同じランタノイドらんたのいど
ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの、よく似た性質の15元素。
原子番号57のランタン(La)から71のルテチウム(Lu)までの15元素。性質がとてもよく似ていて、周期表では下の段にまとめて書かれます。スカンジウム(Sc)・イットリウム(Y)と合わせた17元素を、希土類元素(レアアース)と呼びます。モナズ石やバストネス石などが主な原料の鉱物です。
リコンストラクテッドりこんすとらくてっど
練りに同じ立方晶系りっぽうしょうけい
結晶系のひとつ。最も対称性が高く、立方体や正八面体の形になりやすい。
別の言い方等軸晶系
7つの結晶系の中で、最も対称性が高いグループ。3本の軸が同じ長さで、すべて直角に交わります(a = b = c)。立方体や正八面体、十二面体などの形の結晶をつくりやすいのが特徴です。蛍石、岩塩、黄鉄鉱、ダイヤモンドなどがこの仲間です。「等軸晶系」とも呼ばれます。
硫化鉱物りゅうかこうぶつ
金属が硫黄(S)と結びついた鉱物。黄鉄鉱・方鉛鉱など。
金属が硫黄(S)と結びついた鉱物(ヒ素 As・アンチモン Sb・テルル Te などと結びついたものも、このグループにふくめます)。黄鉄鉱・黄銅鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱などで、多くは金属光沢をもち、銅(Cu)・鉛(Pb)・亜鉛(Zn)などを取り出す大切な鉱石になります。
硫酸塩鉱物りゅうさんえんこうぶつ
硫酸イオン(SO₄)をふくむ鉱物。石膏・重晶石など。
硫黄(S)と酸素(O)が結びついたまとまり(硫酸イオン SO₄)をふくむ鉱物。石膏・重晶石・天青石・胆礬などがあります。
粒状りゅうじょう
小さな粒がたくさん集まった状態。
目で見える大きさの小さな粒(結晶)が、たくさん集まった状態。岩石の中のかんらん石やざくろ石は、粒状で見つかることがよくあります。
流紋岩りゅうもんがん
白っぽい火山岩。マグマが流れたときの縞模様が見られることがある。
二酸化ケイ素(SiO₂)を多くふくむ、白っぽい火山岩。ねばりけの強いマグマからでき、マグマが流れたときの縞模様(流理)が見られることがあり、名前もそこから来ています。成分は花崗岩とほぼ同じです。
両錐りょうすい
柱の両端が、どちらもとがった結晶。岩や土台にくっつかずに育つとできる。
別の言い方両錐水晶
ふつう、水晶などの柱状の結晶は、根元が岩などの土台にくっついて育つため、とがるのは片方の端だけです。ところが、粘土の中や、まわりの岩のすき間に浮くようにして育つと、両方の端がとがった「両錐」の結晶になります。アメリカ・ニューヨーク州ハーキマー産の、小さくてよく光る両錐の水晶は「ハーキマーダイヤモンド」と呼ばれます。
燐光りんこう
紫外線などを当てるのをやめたあとも、しばらく光り続けること。
紫外線などを当てるのをやめたあとも、しばらくのあいだ、鉱物が光り続けること。当てているあいだだけ光る「蛍光」とちがい、ライトを消しても、残り火のように光が残ります。方解石や珪亜鉛鉱の一部などで見られます。名前の「燐」はリン(P)のことで、リンが暗いところでぼんやり光ることから付きました。
リン酸塩鉱物りんさんえんこうぶつ
リン酸イオン(PO₄)をふくむ鉱物。燐灰石・トルコ石など。
リン(P)と酸素(O)が結びついたまとまり(リン酸イオン PO₄)をふくむ鉱物。燐灰石(アパタイト)・トルコ石・藍鉄鉱・緑鉛鉱などがあります。ヒ素(As)やバナジウム(V)が同じ形のまとまりをつくる鉱物(ヒ酸塩・バナジン酸塩)も、このグループにまとめることが多いです。
鱗片状りんぺんじょう
魚のうろこのような、うすい小さな板が重なった形。
とても薄い小さな板が、魚のうろこのように重なっている形。雲母が代表的で、劈開にそってうすくはがれる性質と結びついています。
累帯構造るいたいこうぞう
帯状構造に同じルーペるーぺ
鉱物の細かな結晶やインクルージョンを見るための、手持ちの拡大鏡。
鉱物の小さな結晶や表面の様子、中のインクルージョンなどを観察するための、手で持って使う拡大鏡。10倍のものがよく使われます。ルーペを目に近づけて持ち、標本の方を動かしてピントを合わせるのが上手な使い方です。
レアアースれああーす
希土類元素に同じレアメタルれあめたる
地球上の量が少ない、取り出しにくいなどの理由で手に入りにくく、それでいて産業に欠かせない金属。日本では47元素。
別の言い方希少金属
地球上にある量が少ない、または取り出すのが難しいなどの理由で手に入りにくく、それでいて産業に欠かせない金属のこと。「希少金属」とも呼ばれます。日本では、通商産業省(現・経済産業省)の鉱業審議会が1987年に示した定義がよく使われ、リチウム(Li)・チタン(Ti)・コバルト(Co)・タングステン(W)・白金(Pt)など30元素と、レアアース(希土類元素)17元素を合わせた47元素をレアメタルとしています(レアアースをまとめて1つと数えて「31鉱種」とも呼ばれます)。ほかにも定義があり、資料によって範囲が少し異なります。電池・磁石・半導体・合金など、最先端の製品に多く使われています。
礫岩れきがん
直径2mm以上の礫(小石)が、砂や泥で固められた岩石。
直径2mm以上の礫(れき、小石)が、砂や泥といっしょに固まってできた堆積岩。丸い礫が多ければ、川などで長く流されてきたことが分かります。
レプリカれぷりか
本物をまねてつくった、そっくりな複製(コピー)。本物ではない。
本物をもとに、形や見た目をまねてつくった複製(コピー)のこと。博物館では、とても貴重な実物の代わりに、レプリカを展示することがあります。宝石や鉱物では、有名なダイヤモンドの形をガラスで再現したものや、樹脂でつくった結晶の模型などがあります。見た目がそっくりでも本物ではないので、お店で「レプリカ」と書かれていたら、本物の石ではない、という意味です。
六方晶系ろっぽうしょうけい
結晶系のひとつ。同じ長さの2本の軸が120°で交わり、六角形の柱や板になりやすい。
7つの結晶系のひとつ。同じ長さの2本の軸が120°で交わり、それに直角な3本目の軸をもつグループ(a = b ≠ c、γ = 120°)。上から見ると六角形の形をつくりやすく、断面が六角形の柱や、六角形の板の結晶になります。ベリル(エメラルド・アクアマリン)・燐灰石・褐鉛鉱などがこの仲間です。573℃より高い温度で安定な高温型石英も六方晶系です。また、三方晶系をこの六方晶系にふくめて結晶系を6つとする分け方では、水晶・方解石・トルマリンなども六方晶系に入ります。
わ行
WA
2語
ワイヤー状わいやーじょう
針金のように、細く長く曲がりくねった形。
和名わめい
日本語での名前のこと。鉱物では、石英・蛍石のように漢字で書かれるものがほとんど。
日本語での名前のこと。鉱物では石英・蛍石・黄鉄鉱のようにほとんどが漢字で書かれ、金属を取り出す鉱物には「〜鉱」、それ以外には「〜石」が付くことが多いです。新しく見つかった鉱物などには和名がなく、英名をカタカナで書くだけのものもあります。この図鑑では、和名と、英名をもとにしたカタカナの名前を、並べて載せています。
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MINERAL QUIZ
いちばん硬いダイヤモンドも、強い力がかかると割れてしまう。その理由になる、決まった方向に割れる性質は?
LIBRARY
資料室
調べものに使える、10の一覧表。図や表で、ひと目で見くらべられます。